本能でも道徳的に

夫婦関係の再構築を心から願ったけど 再構築は難しかったです 現在は彼に恋してます…婚外ネタありのため嫌悪感ある方ごめんなさい

自然と自然体②

帰りの山道
日の入りも早くなってきて少し肌寒いけど 
丁度、山の西側斜面らしく
西日が肌寒さを和らげる 

ふと、彼が言葉を発した

「あ、そういえば
 わしクビになってな。会社やめるんや」


「ふーん、そっか…そうなのね…
 家族が心配になってるんじゃない?
 一人娘ちゃんはこれから大学生だし…
 でもまぁ、家族が居て良かったじゃん
 家族のために働く意欲が保てるでしょ?」 


急なカミングアウトだったけど
彼の会社の人事的な話については
たまにメディアで取り沙汰されていたし
年齢的にもない話じゃないから
驚くこともなかった…


「あぁ、嫁さんは頑張ってなという雰囲気や
 家族なぁ…こうなるとなぁ…
 居ないほうがラクやと思ってしまうわ
 やりたいこと、年収、落とし所が難しい
 ヒトリモンやったらその辺考えいらずやろ
 それに、家族なぁ…家族というか…もはや
 生計を共にする人たちって感じやしな」


クビになった話だから
明るい話でもないはずなのに
彼らしい返答に思わず笑いが出てしまった


それでも言葉に出さない彼の心の中の葛藤が
表情からも垣間見えた気がした


「うまくいくよ!って何の根拠もないけどw
 イイご縁があるところと巡り合うよ」


難しい言葉掛けはしなかった
これ以上は彼の家族間での話だし
彼自身が自信をもって再就職にトライする
それしかないから…
そ~なるだろーっていう無責任ながらも
ポジティブな意味合いの言葉だけが
自然と口から出た


下山しながらそんな会話になったけど
不思議と暗い雰囲気にもならなかったし
会話の内容に気を使うこともなかった…


そういう意味でお互いに気心知れた感じ 
というか、いい感じの距離感というか
変に力も入らずな感じで
それが自然体なのかもしれない 


気づけば…あっという間に
目的の駅まで下山していた


世の中も自粛が明けてきて
温浴施設でビールが飲める嬉しさを味わえる


いつものようにお酒を入れた途端
一気に饒舌になる彼…

「さて、今日の山の反省や!
 ぼー、わしに距離、離されるような山
 しかも、急登や、何でわざわざ
 そんな山を選んだんや?」

「あ、一緒に富士山見たいと思ったのと
 確実に人が少ない山だってことと
 普段トレランで走る兄さんが歩いても
 練習になる山って考えたらココだった」

「そうか、いろいろと考えたんか…
 ホンマにありがとーな。
 今日もメッチャ楽しかったで〜
 誕生日もホンマありがとーな
 よう、色んな人と山とか走りに行くけど
 やっぱり彼女っていうのは、ぼーだけや」


饒舌ついでに…

いきなり彼女認定ですかっ!

そんなん今更ですやーーんと、私
急にどーした???
いい意味でも悪い意味でも今更感が半端ない
転職活動で弱ってるのか??

半年前は、ズルい関係と言ってたし
敢えて…彼、彼女というのを出さない
そういう感じにしてきてたのに
絶対に転職活動で弱ってるな…(笑)



マンネリ、凪、放置…
そんな感じにみえるんだけど 
安定感ってことなのか?


たくさん飲んで、ゆっくり喋って
のんびりした一日が終わっていく


帰りの電車
手を繋いで座った


休日の夜
山帰りには少し遅めの時間
手を繋いだ明らかに山帰りの
アラフィフの二人
どんな関係に見えるんだろう… 


電車のガラス越しに映る二人


絶対に夫婦には見えないよなぁ


シングル同士の恋愛にも見えないよなぁ
ちょっとした初々しさがない…
友だちっぽい雰囲気が近しい?
でも、それなら手は繋がないよなぁ


となると
やっぱり不倫に見えちゃうのか…?
いいような、悪いような…


なぜか周りからの見られ方を
意識してみたいなと思った


そんなことを考えていたら駅に着いていた


さて
お別れの時間が来た


彼と会った日は
わざわざ遠回りして帰る…
行く場所にもよるけど
できるだけ
彼の最後の乗り継ぎ駅まではご一緒する


「楽しかったよ〜」

「楽しかったで〜」  


最後のスキンシップはハイタッチ

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「またね」

「またな」


私が先にホームへの階段を上る


途中で後ろを振り返ると
彼がまだ居て見送ってくれていた


「ばいばーーーーい」


笑顔で手を振った私を見てから
彼が歩いていく


この現実に戻る瞬間を普通に受け入れてる
自分がいるようになってしまった…







潮時を考える時間が増えてきた……
と、ここに残しておこうと思う