彼と友だちという関係が長い
その間(ま)が変わる
その間(ま)を変える
それが怖い
お互いアラフィフ
夫婦生活も破綻はせずとも凪
割り切ってセックスしようと思えばできるのに
あえて距離を詰めないでいる
出会った数十年前も
お互いに好きだなと思っていた
お互いに惹かれ合っていたことは確かで
若さ故の衝動的、過ち的なセックスはできたのに
あのときも同じように
あえて距離を詰めなかった
まめに電話をしてたのに
あえて会わない選択をしていた
あのときと同じ選択をしている
これが二人の距離なのか
あのときに伝えたコトバがある
「声がむっちゃええなぁ」
「ホンマにフィーリング合ってるわ、楽しすぎる」
「一家に一台ほしい人やなぁ」
慣れない関西弁で伝えた最上級のコトバ
あの頃も「好き」って言葉は決して言わない
数十年経って再会して
今でも私にとっては変わらず
[一家に一台ほしい人]
それってホントに最上級のコトバなの
受け取り方次第ではプロポーズに近いよね
それに
彼の声に
彼の心地よさに
囚われている
ホントは数十年間
ずっと囚われていたのではないか
と錯覚するくらい
錯覚するくらい沼ってるのに
距離を詰めるのが怖い
沼ってるからこそ
距離を詰めるのが怖い
揺れ動く
触れたら
離れる関係になるかも
触れさえしなければ
離れない関係でいられるかも
触れても
離れない関係を望んでいる私がいる