本能でも道徳的に

夫婦関係の再構築を心から願ったけど 再構築は難しかったです 現在は彼に恋してます…婚外ネタありのため嫌悪感ある方ごめんなさい

五感に触れる

サプライズは功を奏した…のかな

いつも以上に饒舌になった彼
気がつけば閉店時間

今日は平日なのでもう帰らないと 

店を出る階段で彼から手をつないできた

「酔い冷ます?また少し歩こうか」

ちょっぴり寒いけど夜風が気持ちいい
風が少し吹くたびにピタッと寄り添う
その間隔も感覚も心地がよい

とりあえず線路沿いを歩いてる
この前のように何駅か歩くのかな

歩いてるとカップルが少し増えてきた
ふと目をやると…

そこにはイルミネーション
もうそんな時期なんだなぁ

異性と観るなんていつ以来だろう

イルミネーションより彼といるドキドキを
照れ隠しするためのお喋りがすぎる私に
シーッと口元に人差し指

「一緒に後ろ振り返ってみよか、せーの」

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光が続く一本道

「うわっ!メッチャきれいだね」

ヤバイ、泣きそうなくらいキレイに見えてる

「偶然観たっていうのがええなぁ」

「狙って観に来てないあたりがいいね」 

イルミネーションで盛り上がった気持ち
鼓動は高鳴ってきてる

冷静を装い、手をつないでまた歩き出す
一駅着くごとにお別れの時間が近づく 
お別れの駅が目の前に見え始めタイムリミット寸前

先に足を止めた

「今すぐ……チュー……したい」

しびれを切らしたのは私の方だった

「ええよ」

抱き寄せられて
キスをした

初めて触れた彼の唇
やっと触れられた彼の唇

肌が吸い付いて離れない
初めての感触

絡めることなくちょこっと出てきた舌先
味覚への刺激が軽くて甘い

触れあった肌も全く匂いを感じない
嗅覚に触れてこない人は初めてかもしれない

そして極めつけは触れた瞬間 

ツキュンって

脳天から足の爪先まで電流が走った
味わったことない感覚

一瞬にして危機感を覚えたと同時に
オンナのスイッチが入った

抜け出せなくなるかも

私の五感に触れる彼が
心地よさとなって押し寄せてる

抱きしめてもらえてる嬉しさと
忘れられなくなる怖さもそれと同時に押し寄せた

でも時間は残酷
もうタイムリミット


名残惜しいけど


またね


次会える約束はしない彼

キスしても関係性は不変のまま

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