彼のフィールドに旅に出ると決めた日
私は私なりのケジメをつけなくてはと思っていた
オトさんにセックスレス解消の最後のお願い
私は彼のところへ泊りがけで向かおうとしている
抱かれてもいい
いや
抱いてほしいと思って向かう
それは、紛れもなくオトさんへの裏切りとなる
その理由をオトさんとの関係性に
自分勝手ながら結びつけたいと
[ダイテクレタライイノニ]
法律的に私を抱いていいのはオトさんだけ
今から間違いを犯そうとする私に
そうさせないように手を差し伸べて欲しい
少しの良心がそう願っている
「セックスレスがツライ、長いことしてないね」
「……ごめん……オレと結婚して幸せじゃないよね」
「いや…子どもを3人も授かれたのは幸せだよ
母親としては、幸せです」
「………ごめん………」
「私とはそういうことできないのかな」
「本当に……ごめんなさい
君を大事に思うだけじゃダメかな」
「………………………………………………………」
大事に思ってくれるのね
ありがとう、嬉しいわ
でもね
ダメかな?になんて答えるのが正解なのかな
[ワタシハアナタニダイテホシカッタダケ]
ただそれだけ
[ボクハモウキミヲダクコトハデキナイ]
それがオトさんが私に出した答えだよね
本当は少しの良心に自分自身もすがってた
抱いてくれたらいいのって
彼と一線を超えるかもしれない悦びとは裏腹に
良心の呵責に苛まれる私もいる
オトさんに最後のチャンスは与えた
私も最後のチャンスにかけた
大事なところは話していない
[アナタイガイニダカレルノヨ]
オトさんへの義理を最後のチャンス
それで果たそうとしている
彼と一線を超えてもいい理由を
オトさんのせいにして、足枷を外そうとしてる
沼る気持ちとオトさんは全く別のことなのに
少ししかなくなってしまった良心の欠片さえ
捨て去ろうとしている
私はズルい
勝手にケジメをつけて
心も躰もアナタから離れて
彼に逢いにいこうとしている
あのとき誓った
汝
健やかなるときも
病めるときも
喜びのときも悲しみのときも
富めるときも
貧しいときも
永久に節操を守ることを
誓いますか?
愛のカタチを変えて…
誓います