本能でも道徳的に

夫婦関係の再構築を心から願ったけど 再構築は難しかったです 現在は彼に恋してます…婚外ネタありのため嫌悪感ある方ごめんなさい

逢坂⑤

「ワシ結婚して子どももおるけど
酒呑まんでしたの、ぼーが初めてやな
ほぅか、なんやな、分からんもんやな」

コトの後に彼が天井を見上げ
ボソッと私に話した

…知ってる、それ(笑)

彼との関係で自分の思い通りになった
数少ないうちのひとつとなることは間違いない

「しっかり狙ってましたけど私」

彼と出会ったのは20代
吸い付くような肌のときではなく
カラカラになったアラフィフで
抱かれるとは

運命 宿命 偶然 必然
人生わからないものだと思う
でもそれを選択したのは私と彼
それを改めて不思議に感じているし
この状況を滑稽に感じる第三者な私もいる



冷静になってくるとお腹も空いてきたので
いつものノリで呑みにいく
彼は何時でも何処でもセンベロしかない

先程の余韻はありつつも
不思議なほど変わらない
いつもの二人

なんならまた初出しの昔の女の話が出てきた

この人飲む度に人数増えてる
ダメ男(笑)

秘めたものをカミングアウトできる関係も
コトの後だと尚更微妙かと思うのだけど
やはりそういうことを話せる二人
二人の関係性は変われないということなのか

それがこれからの私を苦しめるのかもしれない
沼る私をもがかせるだけなのかもしれない
どっちつかずの何とも言えないの二人の距離
心地のよい関係性には変わりはないというのが
せめてもの救い

それでも私は
オンナであることの再認識をしたし
彼も私が
オンナであることを再認識したはず

飲み終えてホテルに戻る

明日は朝7時前に出発予定の京都散策
私にとっては現実に戻るまでの
最後の大事な大事な時間

気づけば深夜1時を回っている
早く眠りにつかないと

ツンツン ツンツン

「な、な、もうせーへんの?」

「え?なにを?なにすんの?
 すでに呑んでるし、素面のときしかしない
 そうゆったやろ?明日も早いし寝るわ
 オヤスミナサイ」

この件をあとで後悔することになる私

おやすみのキスもなければ
甘ーい雰囲気はもはや皆無

つい数時間前、本当に彼と抱き合い
甘い時間過ごされましたか、私

つい数時間前、本当に私と抱き合い
オトコとオンナを確かめ合いましたか、あなた

元々のお互いの気質がそうであることに加えて
この何とも言えない二人の間柄のせいなのか

さっきまでのあの夢心地は本当に夢なのかも

それでも彼の寝息、いびきを聞くのも
不思議と落ち着いた気持ちになる

彼との関係性、距離感の模索は延々と
続くのかもしれない
f:id:k2h1c0k2c0:20200423142500j:plain

明日は明日の風が吹く